お腹の右下が痛い原因は?
このような症状は
ありませんか
- 右下腹部の痛み
- 右横腹の痛み
- 右下腹部のズキズキする痛み
- 右下腹部を押したときの痛み
- 右下腹部のひきつるような痛み
腹部の右下には小腸や大腸に加え、腎臓、尿管、膀胱があります。
また、男性では前立腺、女性では子宮、卵巣、卵管など、多くの臓器があります。
そのため、腹痛が起こった場合、胃や腸の病気によるものとは限らず、他の臓器が原因となっている場合もあります。
右下腹部が痛いときに
受けるべき診療科
- 消化器内科
- 泌尿器科
- 婦人科
早急に受診が必要な症状
右下腹部痛から
考えられる病気
消化器系疾患
虫垂炎(盲腸)
虫垂炎は盲腸の先にある紐状の虫垂が炎症を起こす病気で、以前は「盲腸(もうちょう)」とよく呼ばれていました。みぞおちやへそ周りに急激な痛みが起こり、徐々に右下腹部に移動するのが特徴で、吐き気や嘔吐、発熱を伴います。放置すると腹膜炎という重篤な状態に進行する危険性があります。幅広い年齢層に起こりますが、10~30代に比較的多い病気です。暴飲暴食や過労、ストレスなどが原因で起こる場合もあります。
診断の際には、血液検査の他、腹部超音波検査や腹部CT検査などが行われ、盲腸が腫れていることが確認できることもあります。症状に気づいたら早めに医療機関を受診しましょう。
大腸憩室炎
大腸憩室炎とは、大腸壁にできた嚢状の突起である憩室に便などがたまって細菌感染を起こし、炎症を起こす病気です。
憩室ができるのは大腸が多く、通常はほとんど症状がみられません。腹部右下にある上行結腸にある憩室に炎症が生じれば、右下腹部痛や発熱として症状が現れます。また、憩室から出血する場合があり、血便が見られることもあります。
炎症が進むと腸に穴が空き、手術が必要になる場合もありますので、早めに受診をお勧めします。血液検査や超音波検査、腹部CT検査などを行い、早期に抗生物質を使用することにより、炎症の進行が防げます。
腸炎
腸炎とは、病原体の感染や薬の副作用、化学物質などによって腸に炎症が起こる病気です。
特に、鶏肉や豚肉の摂取などによって起きる細菌性腸炎であるカンピロバクター腸炎は、右下腹部痛を伴うことが多いので、右下腹部痛の症状がある場合は注意が必要です。
カンピロバクター腸炎では、腹痛、嘔吐、下痢、血便、発熱などの症状が強く現れます。治療の第一歩としてまず水分補給を行います。症状が強く、経口での水分補給が難しい場合は入院して点滴で水分補給を行う場合もあります。そして水分補給を継続しながら、並行して抗生物質などの投与も視野に入れていきます。
過敏性腸症候群
便秘や下痢に伴う腹痛などの症状が起こり、排便すると楽になるという状態が続いているにも関わらず、検査をしても大腸に炎症や潰瘍などの器質的病変が見つからない場合は、過敏性腸症候群の可能性があります。これはストレスなどの因子が加わって、腸の蠕動運動や知覚機能に異常が起こることで発症すると考えられている病気です。便秘型、下痢型、交互に便秘と下痢を繰り返す混合型に分けられ、左下腹部の痛みを訴える方が比較的多いのですが、腸管全体に異常が生じている場合もあり、その場合は右下腹部に痛みを感じることがあります。
大腸カメラ検査、腹部超音波検査、血液検査などを行い、器質的疾患、内分泌疾患、全身性疾患の有無を調べます。
命に関わる病気ではないものの、排便に関する症状が強いと日常生活の質が著しく低下します。適切な治療を受けることで症状を軽減することができます。
クローン病
クローン病は、口腔内から肛門にいたるまでの消化管のどの部位にも炎症(粘膜のただれ)や潰瘍(粘膜の欠損)が起こり得る、原因不明の慢性の腸管炎症です。厚生労働省により特定疾患(難病)に指定されています。
クローン病は主として若年者にみられ、小腸と大腸を中心として腸管炎症が起こり、腹痛や下痢、血便、体重減少などが生じます。炎症が起こりやすい部位は小腸の後半部分である回腸や、回腸と大腸のつなぎ目(回盲弁)付近であり、右下腹部痛として現れることが多いです。
薬物療法の進歩により、以前よりも予後が向上していますが、症状が表に現れにくいケースも多く、ひそかに病気が進行する場合もあります。この病気は疑わないと診断が難しいこともありますので、少しでも気になる症状がある際は、お気軽にご相談ください。
尿路系疾患
尿路感染症
腎臓で血液中の老廃物を取り除き、尿となります。その後、尿は尿管を通って膀胱に一時的に貯えられ、尿道を通って体外に排出されます。この尿の通り道を尿路と言います。細菌などは、尿路のどの部分からでも侵入し、感染症や炎症を引き起こす可能性があります。これを尿路感染症と呼び、膀胱炎や腎盂腎炎を引き起こすことがあります。
膀胱炎の場合は、下腹部に痛みが生じます。膀胱自体は体の中心部に位置していますが、場合によっては右下腹部に痛みを感じることもあります。
腎盂腎炎になると、さらに症状が強く現れます。両側の背骨と脇の間にある腎臓は左右に1つずつありますが、右の腎臓が炎症を起こすと、背中や腰に痛みが生じ、発熱、吐き気や嘔吐、全身倦怠感、血尿などの症状や、場合によっては右脇腹痛みや違和感が現れることもあります。
尿管結石
尿路にできる結石のほとんどは、腎臓でさまざまなミネラルの老廃物が結晶化して石のように固まることで形成されます。結石が腎臓内に留まっている間は症状が現れないことが多いのですが、何らかの理由で結晶が尿管の狭い部分で尿路から排出される際に詰まってしまうと、激しい痛みを引き起こすことがあります。また、結石が尿管を傷つけ、血尿を引き起こすこともあります。
右腎から排出される尿管に結石が形成されると、右下腹部に痛みなどの症状が現れることがあります。
泌尿器科では一般的な病気で、特に30~40代の男性に多く見られる傾向があります。
精巣上体炎
右腹部痛は、精巣(睾丸)の横にある精巣上体(副睾丸)に炎症が起こる精巣上体炎でも引き起こされることがあります。
高齢の方では前立腺肥大による排尿障害により、感染のリスクが高まると言われています。
若い方では、性感染症のクラミジアや淋菌が原因で尿道炎を起こし、それが精巣上体まで広がってくることがあります。
前立腺炎
細菌感染などにより、前立腺に炎症が及ぶ病気を前立腺炎と言います。症状としては、頻尿や残尿感、排尿時の違和感、発熱、下腹部痛などがあります。
炎症の広がり方によっては、前立腺が下腹部にあるため、右下腹部痛が起こります。
また、排尿痛、排尿困難、頻尿などの症状も見られます。長時間のドライブやサイクリング、お酒の飲み過ぎなどが、細菌感染の引き金となることもあります。
婦人科疾患
異所性妊娠
受精卵は通常、子宮内に着床して成長しますが、まれに子宮外で着床することがあり、これを異所性妊娠(子宮外妊娠)と呼びます。子宮外でも妊娠が成立しているため月経は止まり、受精卵は成長を続けます。しかし、卵管など狭い場所では、成長により組織が裂けて大量出血を引き起こし、命の危険にもつながります。主な症状は不正出血や、着床部位によっては右下腹部痛があります。妊娠の可能性があり、月経停止や不正出血が見られる場合は、速やかに産婦人科を受診してください。
子宮内膜症
子宮の内側を覆っている子宮内膜という粘膜は、月経周期に伴って変化し、厚くなったり剥がれたりを繰り返します。時には、この子宮内膜が子宮の外側に形成されることがあり、卵巣、腹膜、子宮と直腸の間などにできます。子宮の外にできても、やはり月経周期に合わせて変化し、過多月経や月経困難症を起こして下腹部痛の原因となることがよくあります。そのため、子宮内膜が形成される場所によっては、右下腹部に痛みを感じることがあります。
卵巣嚢腫・卵巣茎捻転
卵巣嚢腫は卵巣にできる袋状の腫瘍で、多くは良性ですが、まれに悪性の場合もあります。主に20~30代の妊娠可能な世代に多い病気です。初期にはほぼ無症状ですが、嚢腫が大きくなると下腹部痛が現れます。卵巣は左右に1つずつあるため、痛みの場所は嚢腫の位置によります。さらに大きくなると、卵巣を支える部分が捻じれる「茎捻転」を発症し、突然の激しい下腹部痛が現れます。また、まれに嚢腫が破裂し、強い腹痛とともに緊急手術が必要になる場合もあります。
子宮筋腫
子宮の筋肉からできる良性の腫瘍で、女性ホルモンが関与して発症します。大小含め、30歳以上の女性の20~30%が持つとされ、女性に多い病気のひとつです。強い月経痛や、位置によっては左右の下腹部痛が現れることもあります。
痛みや症状の出方は筋腫の場所や個人によって異なります。通常は経過観察を行いますが、症状が重い場合や筋腫が肥大化した場合には、ホルモン製剤で退縮させる、必要に応じて手術で切除するなどの治療を行います。
卵巣出血
排卵や外部刺激による卵巣の傷から出血が起こる状態で、主に20~30代の女性に多いですが、排卵があるすべての女性に発生する可能性があります。
主な症状は下腹部の痛みで、出血の量により痛みの強さや特徴が異なります。出血が多い場合は腹膜への刺激により痛みが下腹部全体に広がり、吐き気や嘔吐を伴うこともあります。約80%は自然に出血が止まり、血液が吸収されて症状が改善しますが、急な貧血進行の可能性があるため、経過観察や入院が必要な場合もあります。
骨盤腹膜炎
直腸、膀胱、子宮、卵巣などの骨盤内臓器の炎症が腹膜にまで広がった状態が、骨盤腹膜炎です。子宮や付属器の炎症から波及することが多いとされ、主な原因は性感染症のクラミジアですが、大腸菌など常在菌の感染もあります。主な症状は、激しい下腹部痛、高熱、吐き気・嘔吐のほか、悪臭を伴うおりものや不正出血が挙げられます。進行すると、卵管や子宮と直腸の間に膿がたまって膿瘍になり、さらに進行すると敗血症のリスクが高まります。この場合は、入院の上、強力な抗菌薬投与や外科的処置が必要になります。
右下腹部が痛いときの検査
血液検査
まず問診と触診をします。痛みが強い場合には、感染や炎症の原因を特定するために血液検査を行うこともあります。虫垂炎や憩室炎などの下腹部痛の場合には白血球数や炎症値が上昇します。
大腸カメラ
大腸カメラ検査では、大腸粘膜の表面の変化や色調を観察することで、大腸ポリープや炎症、がんなどの病気を特定することができます。病状を把握した上で、患者さんそれぞれに合った最適な治療方法を提案し、治療を進めていきます。ポリープなどの病変が見つかった場合は、日帰り手術でそのまま切除することもあります。
当クリニックでは、最新の内視鏡機器や炭酸ガス、鎮静剤を使用し、大腸カメラ検査による痛みや不快感を最小限に抑えています。どうぞお気軽にご相談ください。
腹部超音波検査
超音波を利用して血流や臓器の状態を調べる検査です。体にゼリーを塗り、超音波の探触子(プローブ)を皮膚に軽く押し当てて検査を行います。
検査可能な臓器は、肝臓、胆のう、すい臓、腎臓などで、短時間(5~15分)で情報が得られます。
安全性が高く、胎内にいる赤ちゃんの病気の有無を調べるためにも使われています。検査中の痛みはありませんので、痛みが心配な方でも安心して検査を受けていただけます。